この本には、血液透析にフォーカスしたQ&Aがのっています。
医師、臨床工学技士、看護師、透析患者から血液浄化についての疑問や質問をあつめて、
医工学的な視点からわかりやすく解説した内容になっています。
今回は『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』から、おすすめのポイントを紹介していきます。
『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』執筆者 監修紹介

酒井 清孝 (さかい きよたか) 早稲田大学名誉教授
早稲田大学 / 東京電機大学工学部応用化学科 / 善仁会 横浜第一病院
医療工学(医学と工学を融合した専門分野)の分野において、
人工臓器の開発や設計にかかわっています。
臨床工学技士や理工学研究者、医師と協力して、
国内外で多くの論文発表や講演をおこなっています。
宮坂 武寛 (みやさか たけひろ) 湘南工科大学教授
早稲田大学 / 博士(工学)/ 湘南工科大学工学部人間環境学科
医用化学工学を専門とし、透析器やカテーテルのデバイスの研究にかかわり、
かず多くの研究論文と著書4冊の監修にたずさわっています。
『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』の概要

1章「血液浄化入門」、2章「血液浄化のメカニズム」、3章「血液浄化膜」、
4章「血液浄化器」、5章「血液浄化の性能評価」、6章「先駆者から学ぶ」の
全6章で構成されています。
その他に「執筆者インタビュー」22記事、「執筆者コラム」5記事、「用語集」が付録でついており、
「執筆者インタビュー」では、研究者目線の考え方がのっています。
普段臨床で働いている方には、血液浄化の見方が変わる新鮮な内容にみえるでしょう。
具体的には、『血液浄化器の今後の夢はなんですか?』という内容のインタビューがあります。
現在の人工腎臓をさらに進化させた未来の形、現在の技術では実現できていないことについて
書いてあり、血液浄化技術はまだまだ進化の途中であることがわかります。
『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』おすすめポイント3選
血液浄化の基礎知識が深まる

透析液って結局なんなの?
透析液は、血液浄化療法のときに患者の血液から不要な物質をとりこんだり、血液中に不足している電解質をおぎなったりするために使われる水溶液です。
引用元:『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』p16
血液浄化の基礎知識は、最初にまなびます。しかし、時間とともに忘れてしまいますよね。
そんな基本の『き』の内容が第1章には書いてあります。

透析患者さんや、若手の透析スタッフに説明するときに役に立ちますね。
血液浄化のルール。普段あたりまえと思っている作業の理由がわかる
日本透析医学会からさまざまな透析ガイドラインがでており、指針や方向性がしめされています。
しかし、多くのガイドラインをすべて読むには時間がかかりますよね。
この本には、血液浄化のしくみや性能評価などの、ガイドラインを含めた内容がまとめられています。

- 1週間当たりの治療回数と1回の透析時間はどのように決めるの?
- QB=200ml/min、とQD=500ml/minはどのようにして決められたの?
- 使用済みの血液浄化器などの医療廃棄物はどのように廃棄されるの?

以上のような、血液浄化治療の基本ルールがくわしく書いてあります。
用語集がマニアックな内容になっている
普段説明されることはないような、臨床で使われている用語がまとめてあります。

- ホルムアルデヒドによる滅菌について
- コンパートメントモデルについて
- 正吸着と負吸着について

用語集は研究者視点のため少しむずかしい内容になっています。
血液浄化療法にかかわる職種にとって、身になる豆知識がのっています。
まとめ
普段あたりまえのことを疑問と思わない時はありますよね。
そのような疑問をひも解き積み重ねることで、医療知識のスケールアップにつながります。
また、どのようなことに疑問をもてばいいのか分からない時がありますよね。
『なぜ?から学ぶ 血液浄化77』には、考える力の手がかりがのっています。
ぜひ一読してみてください



コメント